COLUMN 家づくりコラム

ヒートショックがもたらす体への悪影響について

今の時代、断熱に対する考え方も浸透してきており、新築を検討するときにはまず第一に断熱性能について考えていく方が増えてきています。

日本では喫煙に次いで高血圧が成人死亡に対する危険因子の第2位に位置付けられています。
室内の温熱環境の改善が血圧低下を通して健康維持増進にもたらす影響が大きいと考えられています。
脳卒中死亡率の高い地域では、暖房室と非暖房空間の温度差が大きいようです。
室温が高く維持されれば、脳卒中の発生が減少するといった実証報告もあります。

また最近よく聞く言葉に、ヒートショックがあります。ヒートショックとは急激な温度差がもたらす体への悪影響のことです。
ヒートショックに対する認知度は高まってきていますが、いまだにヒートショックによる死亡者数は交通事故死亡者数よりも多いです。
このことがヒートショック対策への遅れをあらわしています。特にヒートショックが起きやすい場所は、風呂場やトイレ、脱衣所です。

この点について、大変興味深いエピソードがありますので、ご紹介させていただきます。
今ではほとんど見かけがませんが、かつての日本では、トイレが屋外にあることが一般的でした。そのため、寒い冬に暖かい布団を出て屋外のトイレに向かい、そのままトイレの中で脳出血などを起こして亡くなるという事故が多数発生したそうです。
こうした事故が多発したことが、トイレが屋外から屋内に設置されることになった要因の一つだそうです。

住宅全体の断熱性能を向上させることは快適性だけではなく、疾病予防にも役立つことを覚えておいていただきたいです。

新築はもちろんですが、リフォームでもこの断熱について考えていただきたいと思います。

リフォームといえば家の設備を新しいものにする、フロアーやクロスをきれいにする、とお考えの方は多いと思います。
しかしこれからは快適に健康的に過ごすためにも、家の性能アップ、断熱リフォームをお考えいただければと思います。

 

 

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